上演作品のご紹介




平成11年度
第17回 静岡市民芸術祭参加

しずおか新風土記

演目:『田追いの狐・瞽女峠』

二つのエピソード …野辺の月は見ていた…
  

劇作家 小島真木


装いも新たに しずおか民話・伝説から
珠玉の作品を劇化。
「焼き畑」・「江尻遊郭」・「駿河瞽女(ごぜ)」など
もの言わぬ名もなき人々の生涯に歴史の真実がたちあらわれる。
歴史の闇に一条の光があたる衝撃と感動のドラマ。

上演日【開演時間】:

1999 10/24(日)

開演時刻 18:30

公演舞台会場:

静岡市民文化会館 中ホール

入場券:

一般:2,200円 (前売一般:2,000円)
学生:1,700円 (前売学生:1,500円)




  • このスタッフ・配役表は上演時のモノです
  • 役名あたまに○の付いているのは、すべて男役となります
『田追いの狐・瞽女峠』ス夕ッフ(敬称略)
小島真木
演出
伊藤幸夫
舞台装置
大石治孝
照明
山口久雄(山口オフィス)
音響効果
山崎三郎
衣装
生井節子
鈴木幸世
小島真木
結髪
鈴木英子
音楽
福島尚哉(福島音楽工房)
大道具
伊藤幸夫
小道具
岡島元男
舞台監督
本間博章
舞台監督助手
西岡いつ子
制作
小原輝夫
役名
役者(敬称略)
幕間ブリッジ
豊田真理子(客演)
○男
田中信矢
田追いの狐
女郎
生井節子
小狐
渡辺絵里子
○梅吉
中川正臣
瞽女峠
ごぜ
鈴木幸世
○男
岡島元男



公演プログラムより抜粋

民話劇のすばらしさ
 戦前の民俗学の研究成果を引き継いで、戦後の民主的な文学運動の高まる中、「民話再発見」を契機に民話の採集再話の運動が注目されました。木下順二、斉藤隆介、松谷みよ子、さねとう・あきらの各氏が次々にすぐれた作品をもたらしてくれました。まさに「民話は国民的財産である」ことを知らしめたといえます。
 民話劇の分野でも「夕鶴」をはじめ多くの名作が生まれました。劇団静芸もしずおか民話の劇化上演を創造の柱の一つにしてきました。わかりやすさ、親しさ、面白さというだけではなく、共同幻想という言葉通り自由で大らかな想像力に魅せられたのです。これは演劇の本質とも通底しているものです。また人間への暖かい洞察力、祖先の叡知、「いま」を生きる私たちへの貴重な思想が秘められていることに気づきました。私たちにとって、しずおか民話は掘り尽くせぬ鉱脈となりました。これからも観客の皆様とご一緒に楽しく、しずおか民話探求を続けていきたいと思います。ぜひご意見をお寄せください。

公演プログラムより抜粋

あらすじ・解説
 開幕は「べんけい狐」の登場です。
しずおか民話では美女に化ける有名なきつねです。油買いにでかけた男が色と欲につられてわなにはまってしまいました。べんけい狐はまんまと大好物の油壷を手にいれ大よろこぴ。ところが、異様な影にぎょlっとします。次の場面が始まります。
 「田追いの狐」です。山奥の猪追い小屋で一人暮らしの梅吉が語りはじめます。梅吉にしっぽをとられた子狐がしっぽを取り返しに来ると言うのです。ところが意外なことに宿場女郎か逃げ込んできます。女郎の身の上にすっかり同情してしまう梅吉。どんでんがえしがやってきます。
女郎は母親きつねの一世一代の大芝居、しかも女郎の臨終に立ち会ったと言うのです。母狐と梅吉のかけひきの面白さの中に母子の情愛、孤独な男、野辺に朽ちた宿場女郎の悲しみがたちのぼってきます。
名もなき女の「思い残し切符」は次の場面につながります。
 「瞽女峠」は伊豆戸田村のごぜ観音の伝説にもとずいて創作されました。津軽三味線奏者の白井さんの協力を得て、「語り」の要素の濃い作品となりました。伝統芸能といわれる夢幻脳やごぜ唄、説教節、津軽三味線などの様式が組み込まれています。
 盲目の旅芸人「ごぜさん」というとつい雪深い東北を思い浮かべますが、ここ静岡にも有名な「瞽女宿」がありました。静岡の宝台院、三島の三枚橋など、駿河瞽女の存在を知りました。歴史の彼方に消えてしまった「駿河瞽女」をよみがえさせるささやかな試みです。「わが身一つで生きぬくだ」という瞽女さんの言葉か現在のわたしたちの心を貫きます。しずおか民話は私達の心のふるさとであり、創造の泉でもあります。